SEとひとくちに言っても、上流・下流とか、プログラマーとかオペレーターとか、いろいろあります。ここで話をしたいのは、タイトルに挙げたような「中小企業の社内SE」のことです。
少し具体的に言うと、数名~100名程度の規模の会社で、ネットワークやインフラ周りの整備・管理(メールやイントラ、ファイルサーバー)、IT教育、総務人事のシステム管理(勤怠、精算、評価などの入り口作りを助ける)などが職務の、会社員ですね。
このタイプのSEは、いわゆるSE業者のSEさんとはまるで仕事が違います。行き当たりばったりでそういう立場になる人も多いです。それゆえに、何をどうしたらいいのかわからず、求められることとやっていることがかみ合わず、空回りしてしまう人も多いようです。
社内SEはITディレクター
「中小企業の社内SE」に必要なスキルは、ディレクター寄りのものです。大ざっぱに言うと、「分析」「交渉」「計画」「指揮」「予算管理」です。
もし、最近社内SEに任命された人がこのエントリを読んでいる、あるいは周りにそういう人がいるのようでしたら、ぜひ教えてあげてほしいです。
ぶっちゃけた話、SE全般につきものの「プログラミング技術」は、ほとんど必要とされません。なぜかというと、社内SEはシステムを選定し導入するのが仕事で、実際の作業は開発元のSE業者、そう、いわゆるストレートな「SE」がやってくれるからです。まあ、そのぶんお金はかかりますので、コストを削減するために、社内SEが導入時の設定を行えたほうがいいのですが、実際はそこまで求められるケースは少ないでしょう。
ディレクターには強みが必要
では、社内SEとして成功するための条件は何でしょうか。ぼくはディレクターたる「強み」を見つけること、だと思います。
ぼくが過去に社内SEとして所属していた業種は出版業で、ぼく自身、もともと雑誌・書籍の編集者でした。そのため、社内SEに任命されたその日から、必要なシステム、ワークフローなどの予備知識が豊富にあり、結果を出すハードルが低かったのです。そうした知識が、提案や交渉などを説得力を持って行えるという強みになり、結果的にそれを評価してもらっていました。
今、「強み」の話を出しましたが、自分が何に強みがあるのかをイマイチ理解できない、という人は多いかなと思います。ぼくの場合も、自信のないことのほうが多くて、なかなか胸を張って「自分にはこれがある!」と言い出せるものを自分の中でつかむことができていませんでした。
でも実際は、誰にも強みはあるもので、ものの見方というか、視点を少し工夫すると見つかる、ということに気付きました。
ダメなのはこういう考え方です。「他人と比較して、自分のそれが抜きん出ている。それは他のだれも及ばないものだ」というもの。これは強みではありません。競争したら1位になれるスキルというのは、周りの状況次第でグラグラと揺れてしまうもので、自分の核にはなり得ません。
正解はこういうものです。「それを使うことで自分を推進して行けるという力」。わかってもらえますか? 自分がそれをしているときに、心身が躍動し、結果も付いてくると実感できるもののことです。やっていると自分が元気になれるもの、ノリがよくなるもの、そういうもので、結果が今までも出てきたもの。だれにでも必ずあるはずなんです。
なんか偉そうなエントリで申し訳ありません。でもぼくもSE任命を受ける前、数年間、かなり仕事で悩んだ経験があって、書かせていただきました。だれかの参考になればうれしいなと……。