YouTuberのためのDaVinci Resolve(6)TVみたいなアニメーションテロップをつくろう
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DaVinci Resolveの使い方、今回はYouTube動画でもよく見る凝ったテロップで、アニメーションするテロップのつくり方を紹介します。
目次
前回までのテロップ加工方法を押さえた前提で話を始めます
今回は、前回までで紹介した「Text+」でのテロップ加工ができるという前提で話を進めます。
参考までに前回の記事はこちらです。
YouTuberのためのDaVinci Resolve(5)背景つきのTVみたいなテロップを作ろう
テロップのフェードイン・フェードアウト
まずは基本設定だけでできるアニメーションを2種類紹介します。
ひとつめはフェードインとフェードアウトです。
これは単純、タイムラインでクリップの左上にあるマーカーを右方向に動かせばフェードイン、右上にあるマーカーを左方向に動かせばフェードアウトです。
テロップの文字が少しずつ出てくる
これを使うと、話し手と連動しているかのように見えてなかなか便利ですが、やり方はとても簡単です。
クリップを選択して、インスペクタを見てみます。「T」(Text)→「Text」→「Write On」が、文字列の左側からどのくらい表示するかを決めるプロパティです。
左端が非表示、右端が全部表示なので、これにキーフレームを打ってアニメーションさせればいいのです。キーフレームの打ち方と一緒に覚えてしまいましょう。
1つめのキーフレームを打つ
まず、テロップの「Text+」クリップを選択して、このクリップの先頭に再生マーカーを合わせます。
インスペクタの「Write On」右端にある「◆」、これがキーフレームボタンですので、これを押して赤く点灯させます。
そして、「Write On」のふたつの●のうち、End側(右)を左端までドラッグします。
今やったことはつまり、「クリップの始めはテロップのテキストを表示しない」という意味になります。
続いて、再生マーカーを「Text+」の真ん中あたりに移動します。クリップは選択したままにしておきます。
2つめのキーフレームを打つ
そして、「Write On」のEnd側(右)の●を右端までドラッグします。すると、自動的に◆が赤く点灯し、新しいキーフレームが作成されます。
今やったことはつまり、「クリップの真ん中へんに来たらテロップのテキストが全部表示される。その間は少しずつテキストが出てくる」という意味になります。
再生してみてください。少しずつテキストが出てきましたね。
キーフレームの簡単な調整
インスペクタの「Write On」部分をもう一度見てみてください。2つのキーフレームが作成されて、右端に「< ◆ >」や「< ◆」、「◆ >」といった<>印が出るようになりました。
この部分をクリックすることで、いつでもキーフレームを設定した場所に戻って、数値を変更することができます。
また、赤く点灯した「◆」をクリックすると、キーフレームは削除できます。
キーフレームをFusion内で調整
さて、もうちょっと細かい作業まで進めてみましょう。Fusionページに行くと、キーフレームと設定値をグラフで確認し、調整することができます。
「エディット」ページで「Text+」クリップを選択した状態で、右クリック→「Open in Fusion Page」をクリックします(単純にクリップを選択して画面下で「Fusion」タブをクリックしても基本は同じです)。
初期設定では画面上部がプレビュー、画面下が「Nodes」という構成ですが、Nodesはちょっと高度なので今は扱いません。画面左上「ノード」ボタンをクリックして閉じておきましょう。
さて、画面右上の「キーフレーム」ボタンをクリックしてください。
「Template]「Paint1」「MediaOut1」という3つの項目が並んでいますが、テロップ本体は「Template」です。「>」マークをクリックして中を開きましょう。
すると、「Start」「End」というふたつの項目が出てきました。これが先ほどエディットページで設定した「Write On」の設定です。「End」だけが右肩上がりになっているのがわかると思います。
この「|」がキーフレームの設定場所です。これを直接ドラッグして開始位置・終了位置を変更できます。
とりあえず今回は、Fusionページに行けば細かい設定ができる、ということだけ覚えておいてください。
キーフレームアニメーションでできる効果
キーフレームアニメーションの付け方がわかったら、インスペクタにあるプロパティを操作するアニメーションはとても簡単にできあがります。
その例をいくつか挙げておきます。
文字が大きくなって消えていくテロップ
テロップのテキストを大きくするには「T」(Text)→「Size」をキーフレームアニメーションすればいいですね。そして、消えていくのは冒頭に紹介したフェードアウト。簡単です。
画面左端から現れるテロップ
画面の端からスッと飛び込んでくるテロップをつくるには、テロップの表示位置(座標)を操作すればいいので、「T」(Text)の隣の「Layout」→「Center」→「X」をキーフレームアニメーションします。
文字の色が変わるテロップ
文字の色をアニメーションさせることもできます。「T」(Text)の「Color」プロパティにキーフレームをつければ、モーフィングするようなカラーアニメーションがつくれます。
ここでは、赤から青へのアニメーションを付けてみました。
Fusionでグロー効果をつける
最後にちょっとだけ高度ですが、手順を追えば誰でもできる、テロップを光らせる方法を紹介します。
Text+クリップを選択してFusionページを開き、「ノード」をクリックして「Nodes」を表示します。
このとき、Nodesの中の「Template」をクリックして選択しておいてください。
次に「エフェクトライブラリ」を開いて「OpenFX」→「ResolveFX ライト」→「グロー」をクリックします。
するとNodesの中に「グロー1」というものが追加され、「Template」と「Paint1」の間に挟まれて接続されます。
もし接続されずに「グロー1」がポツンと離れた場所にできてしまった場合、「Template」の■を「グロー1」の▶までドラッグ&ドロップします。
続いて、「グロー1」の■を「Paint1」の▼までドラッグ&ドロップします。
これで、テロップにグロー効果を接続できました。この状態で、テロップ全体がフワッと光っていると思います。
グローをアニメーションで明滅させる
これをアニメーションさせます。「グロー1」を選択していると、画面右側のインスペクタも「グロー1」のものが表示されます。
これまでやってきたのと同様に、プロパティにキーフレームを打てばいいだけです。グローの光り具合を変えるプロパティは「明るさのしきい値」「拡散」などたくさんあります。また、グローの色を変えたい場合には「赤の相対的拡散」「緑の相対的拡散」「青の相対的拡散」「Red」「Green」「Blue」をアニメーションさせます。
ここでは、このように何個かキーフレームを打って、値を上げたり下げたりしてキラキラ輝くアニメーションにしてみました。
ここまででかなりテロップの引き出しが増えたのではないでしょうか?いろんなプロパティを触ってみて、効果を確かめてどんどん使いこなしてください。
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