人間って、何か目標を持って取り組んでいるときになってはじめて、時間の大切さに気付きますよね。
とくに、ある一定の種まき、下準備が必要な勉強なんかの場合、マラソンのように、ペースをつくって走らないと達成できません。ああ、1日が30時間ほしい、もっと時間がほしい、なんて思いますね。ぼけーっと過ごしているときにはまったくそんなこと思わないのに。
目標達成と時間管理でいちばん大切なのは、足を踏み外した時の対応
というわけで、時間をある程度管理して目標に向かって努力するようになるのですが、こうした目標達成でいちばん大切なことは、ペースが乱れてしまったときに、どのように軌道修正に持っていくのか、ということじゃないかと思います。
たとえば、会社の仕事で嫌なことがあって、勉強のために机に向かっていても、そのことばかり思い出して、気付けば10分20分と時間が過ぎてしまったり……。または、楽しい飲み会があって、朝帰りになってしまって、生活パターン自体が狂ってしまったり……（笑）。
実際、こんな、なんてことないできごとでペースが乱れてしまう、それが人間なんですよね。
そして、こうした小さなきっかけでペースが乱れると、簡単にモチベーションが低下したり、サボりにつながってしまいます。結果的に三日坊主なんてことになってしまった経験、誰もがお持ちでしょう。
ぼくの場合、こうしたことがあると、目標達成が遅れていることを意識すればするほどストレスになって、イライラが表に出てしまいます。
そうなるとやっかいです。仕事上の人間関係にも影響が出てきて、勉強どころの騒ぎではなくなってしまいます。
そういうふうにペースが崩れてしまったら、いかに軌道修正するかが問題です。実は、今こうやって冷静にいろいろ書いていますが、実際にペースが崩れたとき、実際は自分自身で事態をしっかり把握できていないことが多いです。ペースが崩れたということはわかっていても、何が原因になっているのかを冷静に判断できていないのです。
そのため、ぼくは、再びペースを取り戻すきっかけとして、いつも「鳥の目」で自分とその周囲を見直してみることにしています。鳥の目とは、自分を取り巻く状況を少し離れた場所から俯瞰して見つめること。状況を冷静に見つめ、なるべく文字に起こすのです。
A4の用紙に、勉強、家族、仕事、友だちなど、ざっくりした分野で区切った丸を描いて、それぞれで気になっていること、問題が発生していることを書いていきます。だいたい全部書き入れたら、大切なものの項目の頭に丸印をつけて、優先順位を比較しながら、優先順位が高いものの丸印を二重三重にと大きくしていきます。
できあがった用紙を見てみると、優先して解決すべきことが見えてきて、不思議とイライラが収まり、目標というレールにまた乗ることができるようになるんですよ。
資格の勉強をしているからといって、勉強だけをしていればいいのではありませんからね。家族、仕事、友だち、体力づくりなどをおろそかにしてしまっているせいで、ペースが戻せていなかった、なんてこともあるわけです。
そうでなくても、人生、その時々ですべきことの優先順位が変化します。もし職場でアクシデントが発生し、人間関係が悪化してしまったのであれば、それを優先して解決しなければなりません。もし家族の誰かが旧に具合が悪くなってしまったのであれば、家族を優先しなくてはなりません。
周囲のサポートがある場合とない場合では少し状況が違う
なお、受験勉強を経験した方で、大人になってから資格の勉強をしている方であれば、なおのこと注意が必要です。受験勉強では、両親をはじめ、周囲のサポートがあるものです。周囲が環境づくりに協力してくれたり、モチベーションを保てるようなやさしい言葉をかけてくれたり。そうした周囲の気遣い、今思えばとてもありがたいことでした。
大人になると、そういうことはかなり減ります。資格の勉強をする人は、会社の人には秘密にしている人も多いでしょうし、むしろ気を遣うのはこちらのほうですよね。
自宅では、結婚されている方であれば配偶者の方のサポートが得られるかもしれませんが、独身であれば、負担こそなくても、サポートは受けられません。大人になってからのほうが環境的にハードになる可能性が高いわけです。
そういう事情があるからこそ、一度ペースが崩れてしまうと、盛り返すのもしんどいのかな、と思ったりします。
突然カウンターパンチを食らったような時こそ、鳥の目で全体を俯瞰するように努めるようにするといいんだな、と思います。
photo:http://jp.freepik.com/free-photo/hawk-searching-for-pray_40991.htm
