http://www.fujitv.co.jp/firstclass/index.html
2014年春、フジテレビの土曜ドラマ。女性ファッション誌『FIRST CLASS』の編集現場を舞台に、女同士のドロドロとした人間模様の中で出世していく新米編集者の姿を描いたシンデレラ・ストーリーですね。
ぼくの職業はまさに編集者です。本作のような女性ファッション誌の編集者ではありませんが、過去に勤めていた会社には女性ファッション誌の編集部がありました。当時、約6年ほどですが、その現場を社内で観察していたのです。そういう現実と照らし合わせるとこのドラマ、描写や展開に違和感を感じる点が多いんですよね。細かいことはいろいろあるのですが、ここでは特に気になった5点について、それぞれポストを分けてコメントします。
ココが変1 昇進が早すぎる
脚本を全否定みたいな話になってしまうかもしれませんが、有名女性ファッション誌という設定で、吉成ちなみ(沢尻エリカ)の昇進が早すぎるのに違和感を感じますね。小さい出版社の小さいパイを相手にしている雑誌であれば、スタッフも少なく、早く昇進するということはありますが、有名女性ファッション誌でそれはありえないと思います。媒体が大きくなればなるほど、関わる人数や影響する(内部の)人数が増えるため、順番待ちと同調圧力が強まるからです。
そもそも吉成ちなみはインターンとして入ってきたはずですが、どの時点で契約社員になったのか、正社員になったのか、よくわかりません。新雑誌の立ち上げで副編集長に抜擢されたというのも、いったい入社から何年目の話なのかがまったくわからないんですよね。「インターン」→「副編集長」というステップに要する時間は少なくとも5年、普通は10年コースでしょう。
それに、雑誌編集部は激務なだけでなく、流行りものを扱うこともあり、人の入れ替わりが頻繁になりがちです。そのため、雑誌編集部の常識としては、吉成ちなみが副編になるころには、周りのスタッフは総入れ替えになっているぐらいでちょうどしっくりくる、と思いました。もちろん、ドラマ内ではそういう気配がまったくなかったですね。だからぼくの目には、1年経ったか経たなかったかぐらいで副編になったかのように映りました。
これはまずありえないなあ、と思いながら観ていました。